あなたの投資信託の成績は!?金融庁の資料を参考に評価してみては?
iDeCo(イデコ)又は、NISA(ニーサ)などを始められた方は最近、多くなってきているのではないでしょうか。私の周りでも始められたという話をよく伺うようになりました。しかし、その多くは金融機関に勧められるままに投資信託商品(ファンド)を選んでしまっている場合が散見されます。また、その運用状況についてもノーチェックという方までおみえになります。今回はそんな方向けにお話させていただきます。
金融庁から投資信託を評価するのに参考になる資料が・・・。
投資信託商品の運用成績を評価するといっても、情報(基準)がなければ判断がつきません。そこで今回はこんな資料をご紹介しましょう。
〇 金融庁HP内 「資産運用業高度化プログレスレポート2022」リンク先は下記。
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220527/20220527_1.pdf
この資料は、金融庁が公表しているものです。
その中に投資信託商品を評価するのに参考になる図表等がありましたのでみていきましょう。
ファンド(投資信託)のシャープレシオの平均は?
運用成績をチェックする指標のひとつにシャープ・レシオというものがあります。シャープ・レシオとは、ノーベル経済学賞を受賞したウィリアム・シャープが考案したもので、価額変動幅、リスクを考慮したパフォーマンス評価方法の代表的なものになります。難しい話は今回は抜きにして、この数値が大きいほど成績が良いわけです。上記資料によれば、
・2021年12月末のインデックスファンドのシャープレシオ平均は0.59 (下図参照)
・2021年12月末のアクティブファンドのシャープレシオ平均は0.49 (下図参照)
なんと、インデックスファンドのほうがリスク&リターンでみた場合は運用成績が良い訳です。ファンドの定義からすれば逆のように思うのですが要は、アクティブファンドの多くは目論見書のとおりにはうまくいっておらず、割高になってしまっているということです。ご自身のシャープ・レシオをこの数値を基準に評価してみてください。
ちなみに、このレポートによれば、相対的に扱うファンド数が少ない(20本以下)会社のほうが良好な運用成績を出している傾向があることが述べられています。
アルファが統計的に有意にプラスになったのはほんの少数
次に投資信託のα(アルファ)値をみてみましょう。アルファ(α)値とは、ファンドの収益率から市場全体の動きに連動したリターンを表すベータ(β)値を引いたもので、ファンドの運用実績とベンチマークの乖離を示す尺度のことです。何を言ってるのかわからないかもしれませんが、要はアクティブファンドを評価するのに適したものです。
上図に示されているとおり、約半数(444 本中 219 本)においてアルファの推計値がマイナスとなっています。そして、アルファが統計的に有意にプラスになったのは 444本中35 本しかなかったとのこと。
データからみれば、アクティブファンドで買う価値があったのはその35本だけということになります。
どうでしょうか?あなたのファンドを評価する参考になりましたでしょうか?このレポートを読みますと、アクティブファンドよりインデックスファンドでの運用のほうが無難であることが読み取れます。金融機関の多くは、販売手数料や信託報酬の高いファンドを勧める傾向にあります。それは、自分達の目先の利益が欲しいからにほかなりません。金融機関とは利益相反関係にあることを理解したうえで勧められる商品を吟味しましょう。
どうにもわからない場合は、利益相反関係にない専門家などに相談するようにしてください!!