保険料払込免除特約(特則)って必要 or 不必要!?

生命保険の保険料払込免除特約とは!?

 生命保険の特約などに「保険料払込免除特約」っていうものがあります。加入の際に勧められるままこの特約を付けたという方は非常に多いのではないでしょうか。しかしながら、その内容についてはあまり把握されてみえる方は少ないと推察されます。

 今回は適用条件の違いや保険料アップ率などをおおまかにお話して内容を知っていただこうと思います。

 「保険料払込免除特約」とはその名のとおり、適用条件を満たした場合には以後の保険料の支払いは免除されて保障だけが保険期間中ずっと続くというものです。

 例えば、病気により適用条件を満たした場合には治療費負担のうえに保険料負担が乗っからずに済みます。

保険料払込免除特約の適用条件には違いがある

 保険料負担がなくなるっていうところだけを聞けば非常にいいように聞こえてしまいますが、注意が必要です。
その一つが、保険料払込免除特約が適用される条件についてです。保険会社ごと、保険商品ごと、加入時期ごとで内容に違いがあるからです。

 ざっくりとお話しますとまず、
 ガンについては悪性だけ適用される場合と上皮内新生物も適用される場合に分かれます
 脳血管疾患についても脳卒中のみかどうか
 心疾患についても急性心筋梗塞のみかどうか

 上記の3大疾病だけか、5大疾病も対象か7大(8大)疾病も対象かどうか。

 所定の手術が必要かどうか

 状態についても、入院をすればいいのか(日数の制約の有無)、労働制限が必要かどうか、障害状態が判定の基準かどうかなど本当に適用条件はさまざまです。

 この適用条件を踏まえて検討しなければ付加するメリットがあるのかどうかはわかりません。

この特約などを付加することによる保険料のアップはどの程度か?

 注意の2つ目が、もちろん保険料アップ分とのバランスです。この特約を付けることで過剰に保険料が上がってしまっては本末転倒だからです。

 保険料アップ割合は上記の適用条件の内容と比例した関係になっており、適用条件が緩くなれば保険料のアップ割合は高くなりますし、厳しくなれば逆に保険料のアップ割合は低くなります。

 保険料のアップ割合は他に加入年齢とも比例してきます。20代と40代ではもちろん、40代のほうがアップ率は高くなります。

 こちらもざっくりですが、20代~40代においては5%程度から30%程度までアップする可能性があるでしょう。

保険料払込免除特約は付けたほうがいいのかどうか?

 正直、こればかりは何とも言えませんが、それではお話になりませんので判断材料をお話したいと思います。

 それは、保険料払込期間との兼ね合いです。終身払いの場合には非常に高い確率でこの払込免除特約の適用条件をいずれ満たすことにはなるでしょう。ただ、問題はどの程度の年齢で適用になるかということです。60歳前に適用となればもちろん付けたメリットは十分ですが、80歳以降であればメリットはないでしょう。

 短期払い(例えば、60歳までの保険料払込みなど)であれば、適用になる確率は数%程度、良くても10%強くらいではないでしょうか。(但し、女性の場合は若くしてガンに罹患することもあるので・・・)
そうなると多くの方は無駄に保険料を払うことになります。

 あとは、保険料のアップ割合との兼ね合いです。保険料負担として問題がなく、数%程度のアップで済むのなら付けても構わないと思っておりますが、さすがに20%~30%のアップ割合となると判断が難しく、加入者の価値観次第と考えます。適用となる病気などの罹患率や家計・資産状況の情報をもとに判断いただくようにしております。

 生命保険には絶対的な正解はありません。御自身の場合にはどうなるかを予想して(予測も出来ません)、結論を出すということではないでしょうか。それが、正解だったかどうかは結果論でしかないのです。