暦年贈与が廃止になるとの噂!?正確な情報をお伝えします!!

 巷では、暦年贈与が近いうちに廃止になるのでは?との噂が出回っているようです。今回は現時点での正確な情報をお伝えいたします。

 

そもそも暦年贈与ってなに?

 暦年贈与とは、「受け取る側からみて毎年110万円以下の贈与であれば非課税になる』という贈与税のしくみを利用した贈与の方法のことです。金銭だけでなく、不動産の持分などでの贈与も対象ですが、手間や費用がかかりますので本当にメリットがあるかはしっかり判断する必要があるでしょう。

 算定期間の1年間とは、その年の1月1日から12月31日までです。

 勘違いされてみえる方がたまにおみえになりますが、贈与税はあくまでも受け取った側の話ですので、渡した側は関係ありません。ですので、一人から貰おうが複数から貰おうが受け取った側で合計110万円超となれば、贈与税はかかるのです。

 暦年課税での贈与税額の計算は、

(1年間に贈与でもらった財産-110万円)× 税率 = 贈与税額

 上記のように1年間にもらった財産額から基礎控除の110万円を引いて、残りの額に税金を課すというルールが「暦年課税」です。

 暦年課税の計算より、110万円以内の贈与であれば贈与税はかかりません。さらにその場合、贈与税の申告の必要もありません。

 

「暦年贈与が廃止になる」との噂の真相は?

 上記でお話しました「暦年贈与」が廃止になるのではという噂が巷では出回っているようです。結論から先にお話しますと現時点では何も決定されていないというのが事実です。

 しかしながら、火のないところに煙は出ませんので噂の火元はあります。

 それは、昨年(2020年)12月に発表された「令和3年度税制改正大綱」のことです。この中に”資産の移転タイミングによる意図的な税負担の回避を防止するために暦年贈与を見直す"との文言が記載されているからです。

 ここから、「暦年贈与」が廃止になるのではという噂につながっているのです。

 これまでコツコツと暦年贈与をおこなってきた方やこれから始めようと思っていた方からすると、聞き捨てならない噂なので、ここまで出回っているのでしょう。

 

「令和4年度税制改正大綱」以降で何かしらの決定がなされる可能性はある

 上記の通り、「令和3年度税制改正大綱」で暦年贈与に方向性が示されたことは事実です。それが踏襲されるなら、「令和4年度税制改正大綱」以降で何かしらの決定がなされる可能性はあると言えるでしょう。

 現時点で私の耳に入ってきているのは、「暦年贈与の財産は10年前までさかのぼって相続財産に組み込む」という話です。

 現在の税制では、「法定相続人被相続人死亡前3年間に暦年贈与で受け取った財産は持ち戻しの対象となり相続財産に組み込むこと」とされていますが、上記の話は、この3年間が10年間へと改悪されるのではということです。

 10年間も遡るということになれば、実質的には ”節税封じ” となることから廃止と囁かれているのかもしれません。

 

 

 現在、自民党の総裁選(実質、首相を決める選挙)や衆議院議員選挙のことなどが取り沙汰されておりますが、その結果いかんでは、この暦年贈与についての方向性も変わるかもしれません。(そうはいっても、方向性を変えるだけの体制が生まれる可能性は低いと思っておりますが・・・)

 現時点では考えても結論は出ません。そうであれば、気にせずに現在の税制にのっとって暦年贈与を行えばいいと思います。ひとつアドバイスとすれば、先程の持ち戻しの対象者は原則、法定相続人です。(一部例外も含まれますのでご注意下さい)ということは、お孫さんやお婿さん、お嫁さんなどは例外に含まれなければ持ち戻しの対象にはなりません。その方々に暦年贈与しておけば、税制改正があっても、回避できる可能性はあります。ご検討の余地がある方は考えてみてください!!

 

 

相続

Posted by riplaboblog