『 準確定申告 』って何なの??やらないといけないものなの・・・?
相続が発生しますとやらないといけない手続き等が山積みです。中には期限が定められている手続きがありますので、悲しんでばかりいられないのが実情ではないでしょうか。今回はそんな中で『準確定申告』を取り上げたいと思います。まずは、こんな手続きがあるんだという理解から始めてください。
『 準確定申告 』とは?
毎年、自営業者などがおこなう「確定申告」は皆様ご存知でしょう。その「確定申告」の頭に ” 準 ” が付いたものですが、これは「お亡くなりになられた方(被相続人)の確定申告」を相続人が代理して行う手続きのことです。
「相続税の申告」とは違いますので、混同しないようにしてください。あくまでも、生前中の所得等の申告で所得税等の精算をおこなうという理解になります。
ということは、故人がこれまで毎年「確定申告」を行っていた場合には、やらないといけない可能性が高いことになります。この『準確定申告』の期限が、”相続人が亡くなったことを知った日の翌日から4カ月以内”で申告・納税まで完了する必要があります。提出先は亡くなった方の住所を管轄する税務署になります。
準確定申告が不要な相続人とは?
先述で、故人がこれまで毎年「確定申告」を行っていた場合にはやらないといけない可能性が高いことはお話しましたが、具体的にやらなくていい相続人の条件をお話しますと、
① 被相続人の年金収入が400万円以下でかつ、他の所得が20万円以下の場合の相続人
② 被相続人の給与収入が一か所からのみで、かつ他の所得が20万円以下の場合の相続人
(ただし、2,000万円以上の給与収入がある場合などは申告が必要)
③ 相続放棄をされた方
ただし、準確定申告が不要でも「した方がお得になる相続人」がおみえになります。おもに、医療費控除やふるさと納税などを行う場合や新たに配偶者控除や扶養控除等が受けられる場合などです。なお、この還付申告の期限は4カ月以内ではなく、亡くなった年の翌年から5年以内であればいいことも付け加えておきます。費用対効果を踏まえて可否を判断してください。あと、この還付金は相続税の課税対象となることもお忘れなく!
準確定申告が必要なのに忘れやすいケースとは?
上記①②③の条件などに該当しなければ基本、準確定申告が必要になります。準確定申告が必要なのに忘れやすいケースをご紹介しましょう。下記のようなケースでは忘れやすいので気を付けてください。(これらに当てはまっても、納める税金が無い場合は申告不要)
〇 不動産を売却して譲渡所得が20万円を超えた場合
〇 生命保険などの満期金や一時金を70万円超受け取っていた場合
(一時所得の非課税枠50万円+20万円を超えた場合)
〇 有価証券売却益が20万円を超えた場合
(特定口座で源泉徴収されている場合は除く)
〇 給料を2カ所以上からもらった場合
など。たまたま亡くなったタイミングで課税年度だけにこれらが該当した場合、相続人は気付きにくいものです。
こういったことが無かったかどうかを確かめてみてください。
その他の注意点などは?
準確定申告についてざっくりとお話させて頂きましたが、そのほかの注意点は下記になります。
〇 消費税の準確定申告についても必要の可否を調べる
〇 相続人が事業や賃貸不動産を引き継ぐ場合、青色申告承認申請書の提出可否を判断する
など。
準確定申告については、被相続人が投資などをおこなっていて、相続人がそういうことに疎い場合などは、そもそも準確定申告の必要可否を検討することも難しい場合があります。そういった場合は、専門家などに相談して判断するようにしてください。