「実家じまいの問題」が増加か?増え続ける相続放棄!!

 ここ何年も増えつづけている「相続放棄」。今回は、その背景を予想して皆様の相続対策・遺産分割対策への着手早期化を推奨出来ればと思い、記事を掲載させて頂きました。

実際に相続放棄の申述受理件数は伸びている

 下記をご覧ください。司法統計から引っ張て来た数字ですが、このように平成24年から令和元年までの推移をみてみますと現実に件数が伸びていることがわかります。

(司法統計:令和元年度 家事審判・調停事件の事件別新受件数  全家庭裁判所より筆者が作成)

 平成24年に169,300件だった件数が、令和元年には225,415件まで徐々に伸びてきています。

相続放棄が増える背景には「実家じまいの問題」が増加か!?

 これまでは、「親の負債などが多くて相続放棄を選択する」という認識を持っていました。しかし、最近は傾向が少し変わってきたように感じております。何故なら、「実家じまい」の相談件数が徐々に増えてきているからです。

 弊事務所に相談される方は、相続対策や遺産分割対策に概ね積極的で、手が打てるだけの資産をお持ちですのでいいのですが、実際には手を打てるだけの資産の余裕がない方のほうが多いのではないでしょうか。
(解体費用だけをみても年々その価格高騰は顕著です)

 これまでは相続登記は義務ではありませんでしたので、何年も放置という状況が続けられたのですが、今後は法律改正もあり、それも出来なくなるでしょう。又、空き家対策に対する規制を強化する法律も成立しましたので、行政代執行がよりしやすくなり、その費用の負担を求められる件数が増えるかもしれません。

 こういった情勢を踏まえると、「実家じまいの問題」は、これからは急務となります。親御さんがご存命の時から話し合っておくことが重要になります。

「相続放棄をすればいい」という簡単な問題ではありません

 皆様のなかには、そんな面倒であれば「相続放棄をすれば簡単でしょ」という方がおみえになるかもしれませんが、実際にはそんな簡単なものではありません。下記に相続放棄をしてもどういった問題が起きるのかを列挙致しました。

 ① あなたが相続放棄をすれば、後順位の方へ相続権が継承されます。もし、相続の内容や相
   続放棄をしたことを知らせなければ後順位の方が迷惑を被り、身内揉めへと発展してしま
   う可能性がある。
  (そもそも後順位の方とお付き合いが残っている状況かどうかもわからない)

 ② 相続人全員が相続放棄をしても、相続財産管理人を立てない限り、管理責任は問われ続ける

 ③ 相続財産管理人を立てるにも手間と費用がそれなりにかかる
  (処分が困難、費用が支払われない可能性のある物件の相続財産管理人はなかなかみつから
   ない

 上記のような問題が生じてきますので、簡単には片付かないのが現実です。

 「親御さんがご存命中に親御さんの相続の話をするのは不謹慎だ」という根強い反発があることも心得ておりますが、それなら親御さんは後々問題が生じないように遺言書の準備や問題を処理できるだけの資産を残すなどという対策はお済みなのでしょうか。

 今後、団塊の世代が後期高齢者となり、ますます認知症者などが増加することは予想出来ています。対策を打つにしても、行為能力があるうちでなければ、まともな対策は打てなくなってしまいます。空家率は既に13.6%と約7軒に1軒は空家という状況です。要は、既に社会問題化しているということです。
 早めの対策は、身内円満が続く元 だとつくづく実感する出来事が最近私にも起こりました。心から推奨させて頂きます。ぜひ、ご検討を!!

相続

Posted by riplaboblog