ドルコスト平均法って本当に効率がいいの!?その理由をわかりやすくお話しましょう!

 投資の世界では安定的に運用するために、長期・分散・積立 という3つのキーワードがよく使われます。その代表的な投資手法として、ドルコスト平均法というものがよく取り沙汰されています。しかし、何故その投資手法が効率的なのかについては、なかなか聞く機会がないように思います。今回はそのお話をしたいと思います。

ドルコスト平均法とは?

 まず、はじめにドルコスト平均法とは、どういった投資手法かといいますと、10~30年などといった長期間の資産形成を前提として、投資信託などの金融商品を定期的定額で購入していく投資手法のことです。例えば、毎月2万円づつ10年間投資信託を購入するといったようなことです。

 こうすることで、先の長期・分散・積立投資というものが実現できて、平均購入単価も下げられて利益が出やすくなると考えられております。

何故、ドルコスト平均法での投資手法が効率がいいのか?

 最初に結論からお話しましょう。それは、下記の関係式が数学的に成り立つと証明されているからです。

相加平均 ≧ 相乗平均 ≧ 調和平均

※ 具体的な証明につきましては、今回は省略させていただきます。

 相加平均とは、一般的に平均と言えばこの平均のことで、算術平均ともいわれます。n個の数a1,a2,……,anがあったとします。これらの総和をnで割ったもののことをいいます。・・・ 式は、(a1+a2+……+an)/n

 相乗平均とは、幾何平均ともいい、 n 個の正の数を x1x2,…,xn とするとき、それらの積の n 乗根のことをいいます。例えば、2,3,5 の相乗平均は、

 調和平均とは、平均の速度を計算するときによく用いられる平均で、「各データの逆数の算術平均の逆数」で求められます。式は、

になります。

具体的に例をあげてご説明しましょう!

 このままでは、何のことかわからないでしょうから、具体的にご説明します。下図をご覧ください。

 3カ月間の株価が1,000円 → 700円 → 900円 と推移したと仮定し、Aパターンは、100株づつ定量で購入した場合、Bパターンは、10万円づつ定額で購入した場合の平均購入単価を計算し、それをさらに一般式化しました。

 赤い四角の中の一般式をみていただくと、Aパターンは相加平均Bパターンは調和平均の計算式になっていることがわかると思います。ということは上記の関係式から、平均購入株価は、Aパターン ≧ Bパターン と導かれます。
 実例でも、Aパターン約867円、Bパターン約850円となっており、平均購入株価が低いBパターンのほうが利益が出やすいことが分かります。このような数学的な証明の根拠があって、ドルコスト平均法が効率がいいと言われているのです。

ただし、デメリットや注意点もあることに気をつけましょう!

 上記でお話したように投資手法として効率的ではあるのですが、デメリットや注意点も下記のようにありますので、気をつけてください。

(ドルコスト平均法のデメリット)

 ・ 右肩上がりの市場では機会損失をしてしまうこと

 ・ 資金拘束が長期間に及ぶこと

(ドルコスト平均法の注意点)

 ・ ドルコスト平均法といえども元本割れリスクは存在すること

 ・ ドルコスト平均法といえども集中投資(一銘柄のみといった)はリスクが高い

 ・ 暴落時に焦って売却(損切り)しないこと
   ※ 長期間運用が前提ですので、目先の暴落で損切りしては折角のメリットが享受できなくなる