ゆうちょ銀行の硬貨取扱料金って高くない!?その他の金融機関はどうなのか?
ゆうちょ銀行が2022年1月から硬貨取扱料金(硬貨の取扱いに手数料がかかる)を新設したのは知っていましたが、その料金には実際びっくりしました。ケースによってはマイナスになるなんて制度設計がおかしいんじゃないの?と思ってしまいます。今回はそのお話をしたいと思います。
どうして硬貨の取り扱いに費用がかかるようになったのか?
これまでは無料だったのに、どうして硬貨を取り扱うと料金がかかるようになったのかといいますと、それは硬貨の取り扱いには、お札よりコストがかかるからなのです。
入金された硬貨は専用の機器で計算するのですが、変形したり汚れたりした硬貨があると故障の原因になり修理費がかかる。その他硬貨の輸送や保管などにも費用もかかり、ゆうちょ銀行では年間数億円にも上るということです。
これまでは何とか収益の中でやりくりして無料を維持できていましたが、人口減少や低金利などで金融機関の収益環境が悪化したため、これまで無料だったサービスを維持することが出来なくなったというわけです。
それでもその料金設定っておかしくないですか?
事情は承知したとしても、その料金設定はおかしくないですか?ゆうちょ銀行の硬貨取扱料金は下記のように設定されております。
極端な例ですが、1円玉を300枚預け入れをするとしましょう。金額は300円です。
上記の表に基づきますとゆうちょ銀行だと101枚から500枚なので825円かかり、完全にマイナスです。そんな料金設定ってありなんでしょうか。
その他の金融機関はどうなのでしょうか?
ゆうちょ銀行に限らず、その他の金融機関でも事情は同じなので一定量以上の硬貨の取り扱いには料金がかかります。しかし、料金設定は微妙に違うようです。
(三菱UFJ銀行)
硬貨枚数 | 料金(税込) |
100枚まで | 無料 |
101枚から500枚まで | 550円 |
501枚から1,000枚まで | 1,100円 |
1,001枚以上 | 1,650円(以降 500 枚毎に 550 円加算) |
(三井住友銀行)
硬貨枚数 | 料金(税込) |
300枚まで | 無料 |
301枚から500枚まで | 550円 |
501枚から1,000枚まで | 1,100円 |
以降500枚毎 | 550円加算 |
(みずほ銀行)
硬貨枚数 | 料金(税込) |
100枚まで | 無料 |
101枚から500枚まで | 550円 |
501枚から1,000枚まで | 1,320円 |
1,001枚以上 | 1,980円(以降 500 枚毎に 600 円加算) |
こんな機器が設置されている店舗などがある!
上記の表をみますと程度の差はあれ、やはりマイナスのケースが存在します。そこに目を付けてかはわかりませんが、こんな機器が登場しているようです。
それが、コインスターという自動販売機みたいな両替機です。コインスターは米国発祥で硬貨を紙幣に両替する機械です。日本ではスーパーマーケットなどに設置されているもようです。
使い方は、
ステップ1:液晶画面上の「開始」ボタンをタッチします。
ステップ2:硬貨をトレイに投入。コインスターが硬貨を数え、引換券を印刷します。
ステップ3:お取引後4時間以内に、引換券が発行された店舗で引換券を紙幣に換金するかお買い物に使用します。
このコインスターも料金はかかりますが、枚数算定ではなく、金額算定ですのでマイナスはあり得ません。料金は、硬貨投入総額の9.9%です。
少額の硬貨の比率が多い場合は、ゆうちょなどの銀行よりもかなりお得です。しかし、逆に高額な硬貨の場合ですと割高になりますので、注意が必要です。
金融機関はこれからもあの手この手で料金を徴収できるように制度を変えてくることでしょう。私はそんなサービスを使う必要はないと考えます。金融機関がおこなっていることは結局、根本的な解決とはならずに自分で自分の首を絞めているように見えます。収益構造そのものを根本から変革するサービスの開発が必要なのではないでしょうか。