ドル円135円台に一時到達!!今後のドル円の為替レートの行方は?

 ドル円レートが、6月に入って1ドル130円台に移行したようにみえるとともに先週の中銀Weekを通過して、さらに上を目指す動きがみられました。現時点での指標や情報をもとに今後のドル円の為替レートについて考えてみました。

 

ドル円レートは日米金利差との相関関係が非常に強い!?

 ドル円レートは日米金利差との相関関係が強く、特に金融政策の影響を受けやすい2年物国債の金利差と非常に強く相関しております。(下図参照)

(出所:株式マーケットデータ)

 ご覧の通り、特に今年の3月あたりから相関関係が増しており、ほぼ重なっているような状態が続いています。

 

そもそも為替レートへは何が影響するのか?

 上述で金利が為替に影響を与えていることは一目瞭然ですが、その他の何が為替に影響を与えるのでしょうか?

 さまざまなものが為替に影響を与えることは承知しておりますが、大きくは金利、実需、投機動向ではないかと考えております。

 金利についてはお話するまでもないと思いますが、実需とは要は、実際に貿易などで決済したり、決済で得たお金を自国通貨に戻したりということです。日本は現在、貿易赤字ですのでドル需要のほうが高いということになります。

 そして、最後は投機動向です。外国為替市場においては約95%が投機マネーだと言われておりますので、その動向が為替レートに影響を与えることは明白です。国際情勢や経済情勢、国内政治情勢など投機動向に影響を与えるものはさまざまあります。ここが一番難解なところでしょう。(投機筋がどう動くかなどの予想はかなり困難)

 現在でいえば、新型コロナ禍の供給制約はいつまで続くのか、ロシアによるウクライナ侵攻はいつまで続くのか、ロシアへの経済制裁の悪影響はどこまであるのか、各国の選挙動向はどうなるのかなど、予測できない事柄がその都度、投機動向へ影響を及ぼしているということです。

 

今後のドル円の為替レートは?

 最後に今後のドル円の為替レートについて、現時点での指標、情報をもとに考えてみました。まず、気になるのは今後も日米金利差との相関関係が続くのかということです。下図をご覧ください。

(出所:株式マーケットデータ)

 6月中旬あたりから相関関係が少し弱まり、金利のほうが先高観が高まっています。肌感覚で申し訳ありませんが、少しアメリカ経済の先行き不安が強まってきているのではないでしょうか。

 経済指標にもよりますが、その点が既に兆候として表れている指標が出始めました。又、逆イールドの発生も一時的ではありますが、見られました。日米金利差との相関関係についてはもう少し見ていく必要があるでしょう。

 現時点、6月会合後のFOMCメンバーによる2022年12月末時点でのFFレート見込みは3.375%が最多数派です。為替市場においては、もう少し高めの3.75%というレート迄織り込んでいての現在レートです。

 詳細は省きますが、ドル円140円到達にはまだまだいくつかの乗り越えなければいけない壁があると考えます。現時点では上昇要因となる新たな情報は乏しいため、ボラティリティ的に3円程度の上げ下げはみられる可能性はあると思いますが、当面133円前後~138円程度で推移するのではないかと考えております。あくまでも、私見ですので投資に対する判断は自己責任でお願い申し上げます。