社会保険上の扶養と失業保険給付との関係
社会保険上の扶養とは?
よく混同されがちですが、「扶養」には税法上の扶養と社会保険上の扶養があります。
今回取り上げさせて頂きますのは社会保険上の扶養のほうです。つまりは、公的年金や公的健康保険上の扶養のことです。
配偶者などの扶養に入れれば、保険料の負担が無くなりますので可能ならば扶養に入っておきたいところです。コロナ禍で職を追われて当面、失業保険給付を受けるという方もおみえになることでしょう。
今回は失業保険給付との関係をお話させて頂きます。
配偶者などの社会保険上の扶養に入るための要件
配偶者などの社会保険上の扶養に入るためには年間収入が130万円未満であるという要件があります。
又、同居しているならば扶養される方の収入が扶養する方の収入の半分未満、別居しているのであれば扶養される方の収入が扶養する方からの仕送り額未満という要件も満たす必要があります。
この年間収入130万円未満という要件についてよく聞かれるのが、いつの時点の収入で判断されるのかということです。
日本年金機構HPでは、「年間収入とは、過去の収入のことではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のこと」と記載があります。
具体的には、退職して配偶者などの扶養と認められる日以降の見込み年間収入が130万円未満ならよいということになります。
注)見込み年間収入130万円未満の判定については、個別具体的にご確認するようにしてください。
年間収入には失業保険給付も含まれることに注意!!
ここでも混同しがちなのですが、「税法上の扶養」、いわゆる配偶者(特別)控除を受けるうえでは、所得要件に失業保険給付を含める必要はありません。何故なら、失業保険は非課税所得に該当するためです。
しかし、「社会保険上の扶養」につきましては、失業保険給付も含める必要があります。
このように「税法上の扶養」とは、要件判定の内容に違いがありますので、ご注意ください。
最後に配偶者などと記載させて頂きましたのは、単身者の場合には親の扶養などに入ることも可能だからです。社会保険料の負担は決して軽くはありません。緊急避難的に考えてみてはどうでしょうか。