知っておきたい新型コロナ関連給付金等の課税関係!!

 本年度は新型コロナウイルス感染症の悪影響による経済ダメージを緩和するため、国や自治体から様々な給付金や助成金が交付されることになりました。

 そこで今回は、確定申告を前に皆様の理解を深めるべく、今年実施されたコロナ関連の各給付金等について課税関係をまとめてみましたので、ご一読いただければ幸いです。

新型コロナ関連給付金等で非課税対象となるもの

1.特別定額給付金

 総務省管轄で給付対象者1人につき10万円が支給されました特別定額給付金は非課税対象です。
                         (※新型コロナ税特法4条1号適用により)

 関連リンク:https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html

2.住居確保給付金

 厚労省管轄で主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合、もしくは個人の責任・都合によらず給与等を得る機会が、離職・廃業と同程度まで減少している場合で一定の要件を満たした場合に市区町村ごとに定める額(※)を上限に実際の家賃額を原則3か月間(延長は2回まで最大9か月間)支給されるもので給付金は賃貸住宅の賃貸人や不動産媒介事業者等へ、自治体から直接支払われます。
(※)生活保護制度の住宅扶助額

 関連リンク:https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/index.html

3.子育て世帯への臨時特別給付金

 内閣府管轄で対象児童一人につき、1万円が支給された子育て世帯への臨時特別給付金は非課税対象です。
                         (※新型コロナ税特法4条2号適用により)

 関連リンク:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/taiou_coronavirus.html

4.ひとり親世帯臨時特別給付金

 厚労省管轄で子育てと仕事を一人で担う低所得のひとり親世帯について、子育てに対する負担の増加や
収入の減少などにより特に大きな困難が心身等に生じていることを踏まえ、こうした世帯を支援するための給付金で非課税対象です。

 関連リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11456.html

5.学生支援緊急給付金

  文科省管轄で将来の経済社会基盤を確保する観点から「学びの継続」のために必要な学生支援緊急給付金を創設。非課税対象です。(※所得税法9条1項15適用(学資として支給される金品)により)

 関連リンク:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/mext_00686.html

6.新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

 厚労省管轄で新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対して支給されたもので非課税対象です。
                                 (※雇用保険臨時特例法7条適用により)

 関連リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html

7.新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金

 厚労省管轄で医療機関の医療従事者や職員は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止・収束に向けてウイルスに立ち向かい、相当程度心身に負担がかかる中、強い使命感を持って業務に従事していることに対して給付される慰労金で非課税対象です。

 関連リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html

新型コロナ関連給付金等で課税対象となるもの

1.雇用調整助成金

 厚労省管轄で新型コロナウイルス感染症の影響により、事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、労使間の協定に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して休業手当などの一部を助成するものです。課税対象になります。

 関連リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

2.持続化給付金

 中小企業庁(経産省)管轄で新型コロナウイルス感染症拡大による営業自粛等により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧としていただくため、事業全般に広く使える給付金として給付されたものです。課税対象になります。

 関連リンク:https://www.jizokuka-kyufu.jp/

3.家賃支援給付金

 中小企業庁(経産省)管轄で5月の緊急事態宣言の延長などにより、売上の減少に直面するみなさまの事業の継続をささえるため、地代・家賃(賃料など)の負担を軽減するために給付されたものです。課税対象になります。

 関連リンク:https://yachin-shien.go.jp/

4.持続化補助金

 中小企業庁(経産省)管轄で小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって取組む販路開拓や生産性向上の取組みを支援する補助金で課税対象になります。持続化給付金と名称が似ていますので混同されてみえる方もおみえになるかもしれませんが、持続化給付金とは別物です。
 元々は新型コロナ関連ではありませんが、現在はコロナ特別対応型が制度化されています。

 関連リンク:https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/

5.休業要請協力金

 地方自治体管轄で新型コロナウイルス感染拡大防止のために都道府県の休業要請に応じた事業者に支給される協力金で課税対象になります。

6.小学校休業等対応助成金・支援金

 厚労省管轄で新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者の皆さんを支援するため、

 ・ 正規雇用・非正規雇用を問わない助成金制度
   ⇒ 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金

 ・ 委託を受けて個人で仕事をする方向けの支援金制度
   ⇒ 新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金

が創設され、支援がおこなわれたものです。課税対象になります。

 関連リンク:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11844.html

課税対象・非課税対象の考え方とは?

 以上、おもな給付金等につきまして課税関係をお示しさせていただきましたが、最後に課税関係の考え方をお話しして終わりたいと思います。

 税法では、そもそも所得(=新たに取得した経済的価値(利益))にはすべて課税することとされています。

 そのうえで、政策的見地などから非課税とするものを根拠法(特別法)にもとづいて列挙しているのです。
これを限定列挙などと言ったりします。

つまりは、この限定列挙されたもの以外はすべて課税されるという考え方になっています。

 課税・非課税の線引きにつきましては正直、感情的に納得できないものもあるかと思われますが、しくみはこうなっているということです。