今年(令和3年)の路線価はどうだったのか?新型コロナの影響はどの程度だったのか・・・。

 国税庁は7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和3年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。昨年は新型コロナの悪影響がどの程度だったのかはわからずでしたが、今年は反映されているはずですので確認してみましょう!!

 

 

新型コロナの悪影響は案外少なかった!?

 全国約32万地点の標準宅地の路線価は、全国平均で前年比0.5%の下落でした。前年比マイナスとなったのは、6年ぶりのことです。前年比0.5%の下落と聞きますと、新型コロナの悪影響は案外少なかったと見えますが、昨年は、前年比1.6%上昇及び、5年連続の上昇でしたのでその流れを考えますと、約2%程度の悪影響はあったとみることも出来ます。

 新型コロナの悪影響とは、感染症拡大によりインバウンド需要や外食需要などが大きく減少して、それに伴う土地価格の下落のことです。
そのため、おもに観光都市や商業圏での下落幅が大きかったといえるでしょう。

 

都道府県別や都市別にみてみましょう!

 都道府県別では、上昇率が10%以上と上昇率5~10%未満となった都道府県がなくなり(前年はどちらも1都道府県づつ)、上昇率5%未満の都道府県も7都道府県(前年:19都道府県)と大きく減少しました。

 変動なしの都道府県は山形県のみ(前年:なし)

 下落率が5%未満が39都道府県(前年:26都道府県)と大きく増加しました。

 

 都道府県庁所在地の最高路線価の下落率(前年比)は、奈良市が最大でマイナス12.5%。神戸市同9.7%、大阪市同8.5%、盛岡市同8%、東京都中央区同7%と続き、22都市で下落しました。

 横ばいは17都市。

 上昇したのは8都市で、上位は仙台市プラス3.8%、千葉市同3.5%、宇都宮市同3.4%の順となりました。

 

昨年(令和2年)の路線価発表後の国税庁の動向はこうでした

 国税庁は、昨年(令和2年)7月発表の路線価は、新型コロナの悪影響を受ける前の評価と判断したため、1月から半年間の地価の下落幅を検証していたのです。

 結果、東京、大阪、名古屋の観光地や商業地の6地点で下落幅が15%を超えたことが判明しました。しかし、全国平均では、住宅地が0.4%、商業地が1.4%だったことから、10月28日、路線価の補正は行わないと発表したのです。

 ですが、今年1月26日に、大阪市内の繁華街3地点を対象に減額補正(下方修正)していました。
繁華街3地点とは、大阪市中央区の心斎橋筋2丁目、同区宗右衛門町、同区道頓堀1丁目の3地点です。減額補正は1995年の制度開始以来、大規模災害時を除き初めてのことですのでその意味はお分かりになるでしょう。

 

 新型コロナの悪影響は、テナントなどの賃料が上昇傾向に転じる時期となるくらいまで観光や飲食店などの景気が戻らない限りは当面続くものと予想されます。要は、需要が安定的に回復しなければ、その他の上昇要因が無い限りは戻らないということです。まだ、出口が見えない状況ですので、予測は難しいでしょう。