いまさらですが、ふるさと納税ってお得なの!?
連休中に親戚から「ふるさと納税ってお得なの?」という質問を受けました。いまさらな気もしましたが、まだまだ正確に理解出来ていない状況を知りましたので、今回お話しようと思いました。
ふるさと納税はほとんど節税にはならない
何をもってお得なのかは人それぞれだと思いますが、節税という観点でみれば、ふるさと納税は
ほとんど節税にはなりません。私のお話する節税とは「ちゃんとお金が手元に残る」ということです。
ふるさと納税では、所得税やお住まいの市町村に支払う住民税は控除(節税ではない)されますが
結局、” 寄附 ” という形で控除された分はほとんど支出されてしまうからです。
具体例でお話しましょう!!
言葉だけではピンとこないかもしれませんので、具体例でお話しましょう。
たとえば、年収400万円で共働き、高校生の子どもが1人いる家族で、ふるさと納税をした場合、2,000円の自己負担額を差し引いた全額が控除される、ふるさと納税額の上限の目安は33,000円です。この場合の所得税・住民税の控除額は次のようになります。
① 所得税からの控除=(ふるさと納税の寄附金額−2,000円)×所得税率
所得税率は課税所得額によって異なりますが、ここでは5%とします
(復興特別所得税については考慮しない)
所得税からは、(33,000円−2,000円)× 5%=1,550円 が控除されます
② 住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税の寄附金額−2,000円)×10%
33,000円から2,000円を差し引いた額の10%なので、3,100円控除されます
③ 住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税の寄付金額−2,000円)×(90%−所得税率)
所得税率は5%としました。33,000円から2,000円を差し引いた額の85%なので、この場合、
住民税から26,350円が控除されます。
控除額の合計= ① + ② + ③ = 31,000円
結局、寄附ということで支出している
上記の具体例の計算で所得税・住民税合わせて31,000円控除来ました。しかし、別途で寄附は33,000円したわけです。要するに、2,000円のご負担で返礼品をゲットしたということになります。
返礼品の調達額は寄附金額の3割以下にするという制限がありますので、調達額=市場価格とすれば還元率は30%が上限ということになります。(実際には調達額=市場価格とはなっていないようですが)
※ 還元率 = 市場価格 ÷ 寄付金額
今回の返礼品の還元率が30%とすると、33,000円 × 30% = 9,900円 2,000円のご負担で9,900円の返礼品をゲットしたということです。
本当に買う必要があったものであれば、9,900円 - 2,000円 = 7,900円 となり、お得ということになります。
しかし、これを節税というには憚られますし、本当に買う必要であったものかや市場価格にも疑問が残ります。ですので、私はほとんど節税にはならないと申し上げた次第です。
(そもそも節税というのなら、31,000円手元に残っていないとおかしいのです)
ふるさと納税は節税というよりかは割安な特産品目的や支援目的手段
上述のとおり私は、ふるさと納税を節税というふうにはとらえておりません。本当に欲しい特産品などを割安にゲットしたいや過疎化で苦しむ自治体やコロナ禍で苦しむ事業者などを少しでも支援したいなどの手段であるとの認識です。
誤った節税認識ですと、おかしな話になっていることが理解していただけたのではないでしょうか。本来の目的から逸脱しないご利用をおこなってください!!