令和4年分の路線価が公表されました!!今回はどうだったでしょうか!?

 7月1日に国税庁より相続税や贈与税の算定基準となる令和4年分の全国の路線価が公表になりました。新型コロナウイルスの影響で商業地・観光地が軒並み下落したため6年ぶりにマイナスとなった前年分に比べてどうだったでしょうか?今回は令和4年分の路線価についてお話させて頂きます。

 

全国平均の変動率は0.5%の上昇!!

 令和4年分の全国の路線価状況は、新型コロナウイルスの影響で商業地・観光地が軒並み下落したため6年ぶりにマイナスとなった前年分に比べて地方は引き続き下落した地点が目立ったものの、都市部を中心とする回復基調により、全国約31万7千地点を対象とした標準宅地に係る評価基準額の全国平均の変動率は0.5%の上昇に転じたことがわかった。

 

 都道府県別では、前年から上昇したのは前年の7道県から20都道府県へと拡大しており、上昇率トップ5をみると、北海道(上昇率4%)、福岡(同3.6%)、宮城(同2.9%)、沖縄(同1.6%)、愛知(同1.2%)で、下落又は下落幅が拡大したのは山形・福井・和歌山の3県のみだった。また、首都圏の東京や大阪もそれぞれ1.1%、0.1%の上昇となった。

 

中部地方(愛知・岐阜・三重)の路線価はどうだったのでしょうか?

 名古屋国税局が同1日公表した中部3県(愛知、三重、岐阜)の2022年分(1月1日時点)の路線価によれば、3県に計35ある税務署管内で最も高くなった地点の路線価(最高路線価)は、全体の半分となる17地点で前回21年より上昇した。全体の3割にあたる11地点では新型コロナウイルス禍前の20年を上回った。21年は上昇地点がゼロだったが、名古屋市内の繁華街・栄で再開発が進み、地価が上昇し始めたとのことでした。

 

 中部三県の最高路線価は下図の通り。

(出所:日経電子版記事より)

 こうみると3県とも上昇したように思いがちですが、実際は愛知県だけ1.2%上昇(前年1.1%下落)岐阜県と三重県はともに去年より下落幅は小さくなっているものの0.9%の下落でした。地域格差が鮮明に出ています。

 

路線価が注目される訳は?

 毎年7月に公表され、弊ブログでもその都度記事にさせて頂いている路線価ですが、何故注目されるのでしょうか?

それは、冒頭でも少し触れましたがやはり、相続税や贈与税の算定基準となるからに他なりません。


 ですが、皆様ご存知でしょうか?実は、相続税や贈与税の算定基準は厳密には”時価”なのです。しかし、不動産などの資産は時価の算定が非常に複雑です。だからといって専門家に依頼すると一筆当たり30万円程度の手数料がかかってしまいます。これは非常に不都合です。

 それで出来たのが路線価というもので、「財産評価基本通達」により土地の評価算定の一定の基準とされています。「財産評価基本通達」とは、相続財産などの評価基準を示したマニュアルのようなものです。

 不動産や株式のように時価で評価が異なる財産の場合、評価方式が個別となると評価額に差が生じて相続税負担に偏りが出てしまうため「財産評価基本通達」により財産の評価方法を一定の基準にすることで、相続税の公平性を保っているのです。

 ただし「財産評価基本通達」は、あくまでも評価の基準が記されたマニュアルのため、法的な拘束力は有しておりません。そのため、例外が存在することは承知しておいてください。最近も注目された最高裁判決がありましたので、下記にURLを張っておきます。興味のある方はお読みください。

 

 〇 TabisLand 税ニュース 評価通達の価額を上回っても平等原則には違反しないと判示(2022.4.26)
   https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2022/0426.html

 

 最後に、より詳細な地点の路線価を調べたい場合は下記をご覧ください!!

 〇 国税庁HP内 令和4年分財産評価基準を見る
   https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm