2021年10月以後の設計検査申請分より、レッドゾーンでの【フラット35】Sが利用できなくなります。

 近年の自然災害の猛威は凄まじいものがあります。豪雨を原因とした土砂災害の発生件数も増加傾向で昨年(2020年)は1,316件と平均の約1.2倍発生しました。それに伴ってか?【フラット35S】が制限されることになりました。今回はその内容についてお話させて頂きます。

 

土砂災害防止法により、危険が高い区域は指定されています

 土砂災害の危険が高い区域については、各都道府県が土砂災害防止法に基づいて通称、イエローゾーンとよばれる「土砂災害警戒区域」を指定、さらに「土砂災害警戒区域」の中でも、特に建物の損壊や住民の命が危険となる区域、通称レッドゾーンとよばれる「土砂災害特別警戒区域」も指定しています。

 この指定は、各都道府県が渓流や斜面などの土砂災害の被害を受ける危険がある区域の地形や地質、土地の利用状況について調査をして場所を指定しています。(5年ごとに再調査して見直し)指定した場所については公表されております。

 国土交通省によると、レッドゾーンは2021年3月31日時点で全国に約55万か所もあります。(下記資料参照) レッドゾーンに含まれているかどうかは、各市区町村のハザードマップや都道府県の土砂災害警戒区域マップなどで確認できます。

(参考資料)
国交省HP内 全国における土砂災害警戒区域等の指定状況 PDF資料 (2021/3/31時点)

 

レッドゾーンでの【フラット35】Sが使えなくなります

 こうした土砂災害による危険防止の観点から、レッドゾーンで新築住宅を建設または購入する場合、2021年10月以後の設計検査申請分より【フラット35】Sが使えなくなります。

 使えなくなる時期基準は、あくまで「設計検査申請」をした時期です。着工時期などと間違わないようにしてください。

【フラット35】Sの利用要件に関する判断基準やQ&Aについては、下記PDFを参考にしてください!!
住宅金融支援機構 フラット35 ホームページ内資料より
https://www.flat35.com/files/400356543.pdf

利用要件に関する判断基準は建物がレッドゾーンにかかっているかどうか

 【フラット35】Sの利用要件に関する判断基準やQ&Aについては、上記PDFでご確認いただきたいのですが、概略として、【フラット35】Sが使えるか使えないかの判断基準は建物がレッドゾーンにかかっているかどうかになります。(下図参照)

(上記リンクPDF資料より)

 

 【フラット35】Sの利用について制限がかかることは非常に残念ですが、そもそも、こういった場所に住宅を新築したり購入したりすること自体を考えたほうがいいと思います。新築・購入前には必ず、各市区町村のハザードマップや都道府県の土砂災害警戒区域マップなどで指定の有無を確認し、出来るだけ避けるようにしましょう。